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【ゲーム論】ソシャゲから学ぶMMORPGの可能性……課金編

前回、『MMORPGをモバイル化』させている現象について、僕の考えをまとめたけど、
今回からは逆に、『ソシャゲをPC向けにMMORPG化』させる方法について、
課金回りとシステム周りに分けて書いていきたいと思う。

最初は課金回りについて。
といっても、ソシャゲと言ったらガチャであり、ガチャは元々PCMMORPGが始まりなわけで、
一言で『ソシャゲをMMORPG化』させるといっても、なかなかイメージしにくいと思う。

特に、PCはアプリと違って確率明記の必要が無いので、確立操作していることも考えられるし、
ポイントに一旦変換させることで、法的にクリアしているのか、サクラ行為も当たり前(?)で、
あまりいいイメージは無い。



ここでは、こういった『価値観の共有』を悪用する方法についてでは無く、あくまでも、
ソシャゲにおける理想的な課金システムを分析し、それを学んでいきたいと思う。
 

PayとTimeのバランスを取る

人によって、どこから『Pay to Win』になるかといった感じ方は違うと思うけど、
例えば、1時間黙々と狩りをしたとして、それによって得られる報酬が100円で販売されたら、
いくら狩りをしても課金者には勝つことが出来ないので、『Pay to Win』と言える。

しかし、これが100円じゃなくて、2000円だったらどうだろうか?
繰り返しの作業は飽きるとは言え、遊びながらにして多くの人は実際に働く時給よりも多くの
報酬を得ることが出来るわけで、そうなると、むしろ『Time to Win』と言えないだろうか?

しかし、これには大きな問題がある。

それは、その値段で購入する人がいるかどうか。
この値段が高ければ高いほど、プレイの価値観が高まるわけだけど、
実際に購入する人がいなければ、それにそんな価値は全くないと言える。

そして、もう一つ。
どんな値段に設定したとしても、みんながみんな、PayとTimeの合計が一致しているわけでは無い。
中には時間も金も無い人だっているし、逆に時間も金もある人だっている。
価値観は人それぞれ違うわけで、全てのプレイヤーを納得させるのは難しい。

これらの問題の解決方法は、『ドールズフロントライン』でとっている手法を分析することで
簡単に理解できると思う。


PayとTimeの価値観を一致させる

ドルフロでは、艦これ同様、自然回復する資源が4種類ある。
この資源は出撃するのに使うほか、キャラクターを手に入れるための製造(ガチャ)にも使用する。

20181009_001.png

この資源はデイリー消化と放置することで1日、1種類に付き、約1万~2万ぐらい手に入る。
この資源が1種類4500に付き、480ダイヤ(約768円)かかる。
といっても、他にも手に入るものもあるし、進行状況やランダムでも変わるので、
一概には言えないんだけど、簡単に計算して、ライトプレイヤーでも1日1万円以上は
稼げる計算になる。

ただ、これはあくまでも放置やデイリーで得られる分で、いくら資源の価格が高くても、
実際にプレイする際は消費されてしまうので、時間があっても『Time to Win』にはならない。

ここで重要になってくるのが『貧乏ラン』と呼ばれるもの。



簡単に説明すると、ちょっとした手間と時間をかけることで、最小限の消費でレベリングができる。
プレイヤーは参考動画の4-3eをひたすら周回するわけだけど、これに不満を持つ人は少ない。

それがなぜなのかというと、一つは『ながらプレイ』が出来るから、ゲーム自体が作業でも
苦になりにくいということが挙げられる。
そして、もう一つが、価値の高い資源の消費を抑えた分だけ、リアルマネー換算で得をする、
つまり、『Time to Win』にもつながるため。

勿論、『貧乏ラン』しなければ、お得感を感じることが出来ないというわけでもない。
出撃とガチャのリソースが同じなので、毎日無料でたまる資源をどう使うかはプレイヤー次第。
普通にレベリングする方法は逆に『富豪ラン』と呼ばれていることからも分かるように、
価値観の共有により、高い満足感を得ることができている。


理想的な射幸心の煽り方

問題は、どうやって価値観の高い資源を購入させるのかという点。
ドルフロではこの問題を『射幸心を煽る』ことで解決している。
以前実装された『スオミ』を例に説明すると……

まず、新規キャラクターとして『スオミ』を追加する。
それと同時に、『スオミ』のスキンガチャを期間限定で開始する。



これが、ガチャで手に入るスオミのLive2Dスキン。
特に性能があるわけでは無いけど、純粋に見た目の部分だけで射幸心を煽っている。

勿論、スキンなので、キャラクターは別に用意しなければならない。
でも、製造で狙い撃ちするのはとても難しい。

そこで製造確立アップキャンペーンをかぶせる。
このタイミングで手に入れられなければ、ただでさえ出にくいキャラがいつ手に入るか分からないのだから、
高いことは分かっていても、資源を購入してまで製造してしまう人も出てくるだろう。

こんな感じで、ドルフロでは射幸心を煽ることで、プレイにおける価値観を高めることに成功している。
実際のキャラについては、スキンと違って上限の無いガチャになるわけだけど、
毎日1万円近く無料でガチャが回せると考えれば、問題があると思う人は少ないのではないだろうか?


Efficient to Winという考え方

さて、ここまでは、プレイにおける価値観の高め方について書いてきたけど、
ドルフロはTimeの価値が非常に高いだけで、『Pay to Win』であることに変わりない。

そもそも競争要素自体が薄いというのもあるけど、キャラの育成から時短まで、
ほぼすべてのことを課金でブーストすることが可能となっている。

では、これが競争要素の強いゲームだったらどうだろうか?
ランキングの上位はニートか富豪で埋まり、頂点はネオニートになるわけだけど、
そんなゲームを普通のプレイヤーが楽しむことは出来るのだろうか?

これを解決するのが『費用対効果を段階的に変える』という手法。

ドルフロで言うと、ダイヤやアイテムの初回購入半額や、月ごとのお得パック、
毎日のAP販売価格が1回買うごとに20ダイヤずる増えていくといった部分がそれにあたる。

20181009_002.png

こうすることで、廃課金者や廃人が沢山いても、効率では自分の方が勝っているわけだから、
『よくやるわ……』とか、『馬鹿だろw』みたいな別のベクトルの優越感のようなものが生まれる。

これは今までのゲーム論でも『Time to Win』要素を減らすという意味で少し触れてきたことなんだけど、
(参考:『MMORPGと非戦闘系コンテンツ』『MMORPGと+の概念』
PayとTimeの概念のほかに、効率(Efficient)というものが新たに加わると思うと分かりやすいと思う。

いろんなゲームのデイリーをはしごして、得した気分を楽しんでいる人は
この『Efficient to Win』という考え方の勝者と言えるだろう。

これにより、最適な値段設定やプレイ時間というものを、
ユーザーがそれぞれの価値観から自分で決めることが出来るようになる。

財布の紐が固い人も、ここまでは効率がいいから買おうと思うし、一度購入すれば、
ゲームデータに対してそれだけの価値があると自分自身で認めることになるので、
割引セールがあればまた買うようにもなる。

ソシャゲもMMORPGも、先にプレイしている人が圧倒的に強いわけで、
じゃぁ新規でも勝てるようにすると、今まで積み上げてきたものを崩す必要があるからそれも難しい。

時間に対する価値観も、お金に対する価値観も、人それぞれ違うのだから、
この『Efficient to Win』という考え方を意識してゲームをデザインすることで、
異なる価値観を共有させることが可能となる。


最後に……

今回の記事で伝えたかったのは、必ずしも『Pay to Win』が悪ではないということ。
特に『Efficient to Win』という考え方は、課金だけでなく、『Time to Win』を解決する上でも
重要な概念と言える。

昔の自由度の高さやリアリティ(不自由さ)を売りにしたMMORPGは、パーティー探し、
狩場の移動、報酬の分配等、時間を取る部分が多く、まとまった時間の取れない
ライトプレイヤーは時間対効率という部分でも不遇だった。
なぜ、今のようなコンテンツ主体のMMORPGが好まれたのか理解できると思う。
(これに関しては、また別の機会に詳しく書きたい)

それと、段階的に効率を悪くしていくといっても、大抵は一番安いものしか買われないと思う。
ここら辺は、運営として実際にどの設定がどれだけ購入されたかといったデータがないと
分からないんだけど、余りにもあからさまだと、効果が薄いと思う。

一番自然なのは、購入すべき理由がある時なので、それに合わせて、ユーザーが自分の意志と
価値観で選択できるようにするのが重要なのではないだろうか。

次回は『ソシャゲをPC向けにMMORPG化』させる方法、システム周りについて書いていきたいと思う。
 

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