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【ゲーム論】MMORPGと視点制御の重要性

すでにサービスは終了しているんだけど、以前ヘルゲートというMORPGで遊んでいたことがある。
これはTPS視点の3Dゲームで、ビルドの概念とトレハン要素の非常に高い、僕好みのゲームだった。

実際、どんなキャラを作るのか、シミュレーションしている時点では相当楽しませてもらった。
ただ、思っていたほどハマること無くプレイするのを辞めてしまった。

その理由はいくつか心当たりがあるのだけれど、最も気になったのが、
プレイしていて非常に疲れるという点だった。
なぜそんなに疲れるのか考えたところ、出てきた答えが今回のテーマ『視点制御の重要性』だった。
 

ヘルゲートから見る視点の動き方



これは、実際にヘルゲートでプレイしている人の動画なんだけど、
3D酔いしやすい人は速攻で気持ち悪くなったと思うw

プレイしたことが無い人のために簡単に説明すると、
ダンジョン(フィールド)はほとんどが入り組んでいて、迷路のようになっている。
次のマップの入口がどこにあるか、近くまで行ってミニマップを見ないと見つけることができない。
敵は視界外ポップ?(ちょっとあいまい)で、四方八方から襲い掛かってくる。

動画の主は相当慣れているのと地形を把握できているので、スムーズにプレイできているが
大抵のプレイヤーは以下のようになると思う。

まず、ミニマップに敵の位置が表示されないため、索敵するためにカメラをグルングルン回すことになる。
この時点ですでに視点が定まらないのだけど、さらに、カメラを回したことで方向感覚が狂い、
自分がマップ上のどっちを向いているか分からなくなってしまう。
そのため、索敵と右上のミニマップをチラチラ見る行為を繰り返すことになり、視点が全く落ち着かない。

僕は割と3D酔いしにくい方だけど、それでも4時間ぐらいのプレイで相当疲れてしまったのを覚えている。


ドラゴンネストから見る視点の動き方

ヘルゲートとよく似た視点を持つゲームにドラゴンネストというMORPGがあるのだが、
こちらはプレイしていて全く疲れなかった。
ドラネス_162_4gamer
(4gamerより引用)

ミニマップが右上や左上でなく、画面中央下に存在しているのが分かると思う。
さらに敵の位置を赤い点でマークしている。
これにより、3Dゲームの迫力を維持したまま、
2Dゲームならではの分かりやすさを共存させることに成功している。
状況を把握したければ、少し視点を下にずらせばいいだけだ。

このゲームをプレイして、この位置にミニマップを置くことの有用性に気が付いたとき、
僕の体に衝撃が走ったことをよく覚えている。

きっと、これを見ている人のほとんどが『そんな大げさな……』と思っているかもしれない。
例を挙げると、3DSのドラクエ11なんかが分かりやすいと思う。
FF11_006_4gamer.jpg
(4gamerより引用)

ちょっと話題になったから、覚えている人も多いと思う。
こちらは2D画面もメイン画面としての役割を持っているから意味合いが違ってくるけど、
やっぱり2Dと3Dの良さを両立させることに成功している。

他にも、非常によくできた視点制御システムに、瀕死の状態になると画面を赤くするというものがある。
これはいろいろなゲームに取り入れられているけど、
これが無いゲームは、必然的にHPゲージを確認する回数が増えるのでとても疲れやすい。

これらのことから分かることは、視点の動きを押さえることで
プレイヤーのストレスを大きく軽減できるということだ。


視点の制御の概念に基づいた検証

上記の点を踏まえて、視点制御の重要性を、僕が作ったTree of Saviorのアドオン
『pointing』を例に説明したいと思う。



これが何をする目的のアドオンなのかは動画を見ればわかると思う。
殆どの人が、敵の位置を2Dでマークして分かりやすくするだけのアドオンだと思ったのではないだろうか?

しかし、このアドオンの重要なポイントはそこだけではない。
実は画面の周りに表示している黒い枠は視点制御の概念に基づいて実装した機能だったりする。

人の目というのは焦点のみをはっきりと表示し、それ以外はぼやけて表示させるようにできている。
そのため、赤い点だけでは焦点以外のぼやけた視界で視認することはとても難しい。
画面の端まで見ようとすると、どうしても視点の移動が発生してしまうのだ。
そして、視点を端まで動かすと、反対端にある対象はさらに視認しにくくなってしまう。
そうなると、索敵のために頻繁に視点を動かす必要が出てきてしまう。

そこで、敵のいる方向に黒い枠を表示して、
焦点の合わないぼやけた視界でも敵の存在に気が付けるようにした。
実際の効果だけど、作者の僕が言うのもあれだけど、
視点の移動が抑えられ、狙った通りの結果が出ていると思う。

他にも、公開はしていないが『Cooldown Tracker』を改造したものなんかがある。



まず、TOSの基本として、バフの効果時間が左上に表示される点に注目してもらいたい。
しかも、このバフは、自分が担当するもの以外にも、
PTメンバーが使用したものも一緒くたに表示される。

次に、バフのクールダウンは画面下にあるショートカットを見ないと分からない。

ちょっと想像してもらえばわかると思うけど、バフを無駄なく効率よくかけなおそうと思ったら、
画面下のクールダウンと、画面左上の沢山のバフの中から
自分の担当するバフの効果時間を何度も確認する必要が出てくる。
もちろん、他のバフのクールダウンが同じとは限らないし、
何かしらの要因でタイミングがずれることもある。

攻撃だってしないといけないのに、これではちょっと尋常じゃないレベルで疲れる。
そこで、自分の担当するバフを、再利用のタイミングのみ画面中央に表示するようにした。
こちらも、自己評価だけど、非常に高い効果が出ていると思う。

どうだろうか?
ここまで読んだ人なら、視点制御の概念がどれだけ重要なのか理解できたと思う。


最後に…

今回の概念は、前々回の操作性の概念と強いシナジー関係にある。
というのも、ショートカットが多ければ、それだけ重要な見やすい位置の視界を遮ってしまうし、
クールダウンスキルが多ければ、それだけ視点をそこに移動させる必要が出てくる。

それがゲーム性だというクリエイターもいるかもしれないが、
それならそれで、分かりやすくする努力が必要だ。

何度も言っているように、MMORPG(MORPG)というのは長時間遊ぶことを前提としたゲームだ。
視点制御の概念を考慮せずにゲームをデザインするのは間違っていると理解してもらいたい。
 

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